またもや、血液製剤が使用不能に...

 日本国内で、献血受入を一手に担う日本赤十字社では、「善意の献血から製造した血液製剤」を輸血に使用することが出来ず、廃棄する羽目になった事例が頻繁に発生していると公表しました。なお、不適切な事例の詳細については、次に挙げている新聞記事から拾い上げて下さいな...。

またもや、血液製剤が使用不能に...

今後の防止対策」を発表…

  • 各都道府県の血液センターで一斉点検を実施して、統一作業手順を遵守した仕事を行っているかをチェックする。
  • トラブル発生時に対応する「血液事業安全管理室」(仮称)を、東京都の日赤本社内部に新設して、再発防止を図っていく。
  • 不適切な事例には、過誤発生から公表まで「2か月以上かかったもの(某新聞社の指摘で表面化する)」があったことから、厚生労働省への報告や公表のあり方について見直す。
  • 現体制となった2012年以降、不適切事例が発生していないか(隠ぺいしていないか)を調査する。

伝わって来る「巷の声」には...

  • 血液センター正規職員率が50%を下回り、給与格差の不満と職制の垣根(過誤発生が嘱託や委託に集中)による熟練度の低さが横たわっている。
  • 過誤が発生して上部組織へ報告する際には、常に強固な再発防止策を求められ、「作業手順が更に煩雑となり締め付けも厳しく、①過誤件数の増加、②入退職者の増加」となるケースが頻発するので、ひた隠しが横行している。
  • 経費削減が何事に対しても強く求められ、息苦しい雰囲気が充満している。これに輪を掛けているのが、監督官庁からの天下りを排除した「派閥人事」の閉塞感...。
使用済み採血針を別の人に誤って刺すミス

使用済み採血針を別の人に誤って刺すミス

 日本赤十字社は19日、九州ブロック血液センター(福岡県)で搬送時に温度管理を誤るミスがあり、献血者33人分の血液製剤が使えなくなったと発表した。献血を巡っては今年度、採取した血液などが使用不能になる問題が相次いでおり、日赤は「血液事業は善意の献血で成り立っており、国民の皆様に深くおわび申し上げる」と謝罪した。

 発表によると、今月5日、同センターから他施設に33人分の血液製剤を運ぶ際、輸送用容器に規定量の保冷剤を入れるのを怠った。同センターは、保管温度が不適切だったとして血液製剤を使用不能と判断した。

 また、北海道赤十字血液センターでは今月2日、献血会場で一度使用した採血針を別の人に誤って刺したほか、兵庫県赤十字血液センターでも今月1日、保管上の不備で血小板製剤5本が使用不能になった。

 日赤の献血事業を巡っては、東京都赤十字血液センターで5月、血液製剤を保管中の冷凍庫の電源が落ち、血液製剤約1万3700本が使えなくなる問題が発生。8月にも同センターの献血バスで採取した39人分の血液が不適切に管理され、使用不能になっていた。

 19日に記者会見を開いた日赤の紀野修一・血液事業本部長は「再発防止策を徹底し、国民の皆様に信頼される血液事業を責任をもって遂行していく」と話した。今後、各都道府県の血液センターで一斉点検を実施するほか、トラブル発生時に対応する「血液事業安全管理室」(仮称)を新設し、再発防止を図るという。(読売新聞)

日本赤十字社で献血ミス続発、全国一斉点検へ

 日本赤十字社は19日、厚生労働省で記者会見を開き、9月に入り血液製剤の保管温度の逸脱や同じ採血針を別の献血者に誤って使うなど、3件の不適切事案があったと公表した。
 日赤担当者は謝罪し、全国の血液センターの一斉点検を行うなど再発防止の徹底や安全管理体制の強化に取り組むと明らかにした。

 日赤によると、9月1〜5日、北海道の献血会場で、使用済みの献血針がついた採血バッグを別の献血者に誤使用。血液検査では異常はなかった。
 兵庫県赤十字血液センター豊岡出張所で、血小板製剤が適切に保管されず、5人分の献血が血小板製剤としては使用できなくなった。
 また、九州では血液製剤を輸送する容器に規定数量の保冷剤を入れず、33人分の赤血球製剤が輸血に使えなくなった。
 5月と8月には東京都赤十字血液センターでも、保管や管理が不適切で献血で集めた血液などが使用できなくなる事例があった。

 日赤担当者は「深くおわびする。血液事業は善意で成り立っており、原因究明と再発防止を徹底し、公表の在り方も見直す」と説明。全ての施設で手順通りに業務が行われているかどうか点検するとした。(日本経済新聞)

参考記事