売上12兆「実績は文句なし」のマイクロソフト株がなぜ急落?

株価が一時10%も急落

 米国株式市場の巨人、マイクロソフト(Microsoft、MSFT)が決算を発表し、その直後に株価が一時10%も急落するという衝撃的なニュースが飛び込んできました。

 時価総額で世界トップクラスの企業の株価がこれほど大きく動くのは異例の事態です。しかし、発表された数字自体を見ると、売上も利益も驚くほど伸びており、一見すると「絶好調」のように見えます。 なぜ、好決算なのに株価が暴落したのでしょうか。 
 この値動きの裏にある「投資家心理」と「AI投資のリスク」について解説しました。 

3ヶ月で売上約12兆円!

 今回発表されたマイクロソフトの2026年度第2四半期(2025年10月〜12月)の決算内容を振り返ります。

  売上高は813億ドル(約12兆円※1ドル150円換算)。これはたった3ヶ月間での数字です。日本国内の企業と比べても桁違いの規模であることがわかります。 成長率を見ても、売上高は前年同期比で17%増、本業の儲けを示す営業利益は21%増となっています。
 
 泉田氏も動画内で「あの巨体が前年比17%で伸びるのは恐るべきこと」「好調と言って間違いない」と評価しています。 

 さらに、投資家が最も注目する「純利益」に至っては、前年比60%増という驚異的な伸びを記録しました。 しかし、泉田氏はこの「純利益60%増」という数字には「カラクリがある」と指摘します。

利益60%増の裏側にある「OpenAI」の影響

 なぜ純利益だけが突出して伸びたのでしょうか。泉田氏の解説によれば、ここにはマイクロソフトが投資している「OpenAI」の影響が色濃く出ています。 

 今回の決算には、OpenAIの資本再構成(リキャピタリゼーション)に伴う評価益として、約100億ドル(約1.5兆円)が含まれているのです。 これは、本業で現金を稼いだわけではなく、投資先の価値が上がったことによる会計上の利益(評価益)です。 

 泉田氏は「これは今回たまたま発生した一時的な利益(下駄を履いている状態)」と説明します。 この特殊要因を除いた実力値で計算し直すと、純利益の成長率は23%となります。 

 とはいえ、特殊要因を除いても20%以上の利益成長を続けているわけですから、業績自体に問題があるようには見えません。では、なぜ市場は売り反応を示したのでしょうか?(LIMO)
◆考察 : いわゆる「のれん代」が高騰した結果、帳簿上で評価見直しを行ったという事だと解釈します。これは、会計規則上の話にもなり、定められた利率でのれん代が動いた場合、行う必要があるとの認識でいいのではないでしょうか?

 世界的な大企業なので、見込み利益を数倍にまで引き上げたとしても「何も得るものがない(税の支払い増となるだけ)」のですし...。
 そして、この評価見直しを除いた時でさえ、純利益の成長率が23%まで増加するのですから、「結果オーライ」だと思います。

投資家の不安①:3ヶ月で5兆円!止まらない設備投資

 株価急落の最大の要因として泉田氏が挙げたのが、「設備投資」の急増です。
  今回の決算資料によると、マイクロソフトはこの3ヶ月間だけで375億ドル(約5.6兆円)もの設備投資を行いました。 これは同期間の売上高の約46%に相当します。稼いだお金の半分近くを、次のAIインフラ(データセンターやGPUなど)への投資に突っ込んでいる計算になります。
 
 泉田氏は、投資家の心理をこう代弁します。 「そんなに投資して、本当に回収できるのか?」 現在、マイクロソフトはAI機能「Copilot」などを有料で提供していますが、その追加料金は月額数千円程度です。 

 5兆円もの巨額投資を回収するには、膨大な数のユーザーがこのAI機能を使わなければなりません。「AIを使えるようになっても、本当にそれだけの価値(プレミア)があるのか。会社として投資に見合うリターンを得られるのか」という不安が、今回の売りにつながったと泉田氏は分析しています。(LIMO)
◆考察 : AI機能「Copilot」を含むサーバー機器の利用が増加、特に法人向けに「サーバー機能丸ごとレンタル需要」が飛躍的に伸びると見込んでいることがあります。設備投資は、土地代・施設代・機器代・光熱費維持確保・回線設備費・保守要員等...に向かいます。

 もちろん、サーバー機器の分割貸しではなく、数台単位の丸ごと貸しが本格稼働ともなれば「あっという間に」サーバー機器の台数が足りなくなります。世界的に展開する企業ですから...。そして、レンタルした企業は、サーバーレンタル代金を自社の人件費等の削減・圧縮等で捻出する算段です。問題なく、辻褄が合います

投資家の不安②:OpenAIへの「依存度」が高すぎる

 マイクロソフトの法人ビジネスにおける「受注残(RPO)」の内訳。 受注残とは、将来の売上になることが約束されている契約金額のことです。

 今回の発表では、法人向け受注残の成長率が前年比110%増と凄まじい数字が出ていました。 しかし、この内訳をよく見ると、驚くべき事実が判明します。 なんと、法人向け受注残の約45%が、OpenAIからのコミットメント(契約)によるものだったのです。 

 泉田氏はこの構造を「マイクロソフトの株価は、OpenAIの将来性や競争優位性に依存している」と指摘します。 
  • Googleが自社開発のAIモデルを自社に組み込んで「内部で完結」している。
  • マイクロソフトは外部企業であるOpenAIに頼る部分が大きい。 
 もし今後、OpenAIの経営が傾いたり、GoogleのAI(Geminiなど)に競争力で負けるようなことがあれば、マイクロソフトの将来の売上も大きく毀損するリスクがあります。 この「他社依存のリスク」が、投資家の警戒感を強めた要因の一つです。(LIMO)
◆考察 : 「法人向け受注残の約45%が、OpenAIからのコミットメント(契約)...」がいけない・危険だとなっていますが、今OpenAIは最も注目度の高い企業で、更に運用資金を他企業・団体に対して求め、獲得しています。

 出資者はアマゾン、エヌビディア、日本のSBG等の一流企業です。その出資金がMSFTへ流れて来るので問題く、トッバグレはあり得ません。

 そして、オープンAIとの過剰過ぎる取り引きが危険だという事であれば、借り入れた膨大なマネーを未上場のオープンAIへ多額に出資しているソフトバンクGに関しては、日本市場で株価暴落してもいい筈なのに、しっかり株価上昇しているではないですか...?

元機関投資家が警告する「ドットコムバブル」との類似点

 2000年当時の「ドットコムバブル崩壊」での経験を引き合いに、現在のAIブームへの次のような警鐘を鳴らしました。 

 2000年当時も、「インターネットはこれから伸びる」という期待から、光ファイバーやルーターなどのインフラ企業、そしてEコマース企業の株価が実態以上に高騰していました。
 しかし、「思ったほど成長しない」「利益が出ない」と投資家が気づいた瞬間、相場は崩壊したのです。 

 「株は『期待』でできています。AIへの投資が実を結び、本当に収益がついてくればハッピーストーリーになります。しかし、『AIと言ってもそんなに売上・利益を作れないじゃん』となった時、AIはバブルだったと気づき、投げ売りが始まります」

 マイクロソフトの株価下落は、AI投資に対する市場の期待値が「現実的な回収可能性」をシビアに見積もり始めたサインなのかもしれません。(LIMO)

◆考察 : 「チャットAI等は、既存のソフトウエア業を崩壊するような動きあり」との危惧が高まり、NY株式市場では同セクターが大きく売られたのは周知の事実です。

 これは、専門家ま技量をAIが簡単に代替えできるようになる、少なくとも短期間で補助ができるようになると、専門家連中が見抜いたことから株価暴落となった筈です。そして、ソフトウエア業から運輸業、金融業と「荒らしまくって」います。

 この論調と『AIと言ってもそんなに売上・利益を作れないじゃん』「思ったほど成長しない」「利益が出ない」とは矛盾する話になります。

市場は「期待」と「現実」のバランスで動く

 今回の『イズミダイズム』の解説をまとめると、以下のようになります。
  1.  実績は文句なし: 売上・利益ともに高成長を維持している...
  2.  投資への不安: 3ヶ月で5兆円という巨額投資に対し、回収できるかどうかの懸念が台頭した結果
  3.  依存リスク: 将来の売上の多くがOpenAIに依存しており、ビジネスモデルの安定性に疑問符がついた 結果
 「決算が良いのに株が下がる」という現象は、投資家が「今の実績」ではなく「将来のリスク」を見ているからこそ起こります。 
 泉田氏の解説は、数字の表面だけではなく、その裏にある企業の構造変化や市場心理を読み解く重要性を教えてくれています。(LIMO | くらしとお金の経済メディア)
◆考察 : 株式の売り買いは『噂で買って、事実で売る』『噂で売って、事実で買う』ことが日常頻繁に行われています。超短期間の鞘取りを行っている彼奴等にとっては、株価は正当性がある訳でもなく「単なる売り買いの指標」なのです。
 NY株式市場でマイクロソフト株が執拗に売り対象となっています。その理由を説明してくれた貴重なWEBサイト紹介しました。
 株式市場の格言として『同じ理由で下げ(上げ)続ける相場は無い』とありますから、いつかは終わります。