強気相場の陰では「高値恐怖」が台頭している...

  日経新聞社の報道・QUICK・ファクトセットによると、S&P500種株価指数の構成銘柄で「第3四半期の決算発表」を終えた「約300社のうち8割強で1株利益が市場予想を上回った。」とデータが示しています。これって、企業の業績が好調の証ですが・・・。

強気相場の陰では「高値恐怖」が台頭している...

さすがに、株価が上がり難くなっている...

 ファクトセットが決算発表後の株価の変化を調べると、利益が予想を上回った銘柄の株価は平均0.3%高だった。一方、投資家の失望を招いた際の反応(株価の下落)は辛辣です。
 利益が予想を下回った銘柄の株価は平均5.4%安、過去5年平均値(2.6%安)と比べても株価の下げが大きくなっています。
 今の米株市場を投資尺度面でみた場合、割高感が強く現れていて、参加者はネガティブな材料に対してかなり敏感になっています。

AI関連の設備投資が手元資金の限度付近へ...

 米バンク・オブ・アメリカが次のような試算を行いました。「企業が年間に費やすAI関連の設備投資額」が、「年間に稼ぐ営業キャッシュフローから配当資金と自社株買い資金を除いた額の何パーセントになるか?」を弾いたところ、2025年は94%(2024年は同76%)、2026年は同90%程になる見込みということです。
 同行は、これを「純粋な手元資金で賄う限界が近づいている」と取ります。すると、設備投資の原資を確保するため株主還元を縮小したり、新株発行が増えたりすれば、株価上昇でマイナスとなるのです。すると、FRB議長の「12月の米利下げは難しい」が、喉元に突き刺さって来るのです。

さすがに、株価が上がり難くなっている...

FRB議長のタカ派的発言(次の利下げは難しい)

 FRBが想定よりタカ派だとの見方は、利下げによる金融環境の改善を前提とする投資家にとって好ましくないのです。*金利が下がらないと、依然として金利相当分が「利息返済に回る」ので、株主還元が増加しない、といった論法...。

例年、11月は株式上昇に光が灯る月だが...

 S&P500の20年間の騰落率を月別に集計すると、11月は約2%高と騰落率が2番目に高い。その経験則の実現を期待する声が多いが、今の米国株はいずれも最高値圏付近で推移しているので、誰もが思い浮かべる『反動安リスク』が孕んでいる・・・。