アルファベットは「資金力に強みが見られる」等...

 ロイターが示したBIGテック記事の中で、「アルファベット(グーグル)の資金力に強み...」を紹介します。

4社の設備投資への傾注度合い...

 ① アルファベット(グーグル、GOOGL)、②マイクロソフト(MSFT)、③メタ・プラットフォームズ(META)、④アマゾン・ドット・コム(AMZN)の米巨大テック4社は今週の四半期決算発表の席上、来年(2026年)にかけて設備投資を加速させる方針を示しました。

 この中で最も投資家が評価したのは【アルファベット】です。ポイントは、手持ち資金(毎年のキャッシュフロー)から設備投資に必要なお金を調達する能力です。
 第三者に何兆円も借り入れを行って、データセンター建設等に邁進するのは、もはや経営ではなく無謀の範疇に入ります。これって当たり前のことですね。

アルファベットは「資金力に強みが見られる」等....

 この4社は、半導体やデータセンターなど人工知能(AI)関連分野の強化に資金を投入しています。まぁ、米国BIGテックはマネーを稼ぐ能力に優れている・実績があるので、何事も許されますが...。

データセンター建設と半導体への先行投資がトレンド

 データセンターとAIインフラへの継続的な投資は、この決算シーズンでビッグテック全体に見られたテーマでした。
 AI業界で数十億ドル規模の取引が行われる中、投資家はここにきて【テック企業間で行われようとしている循環投資の網】に警戒感を強めています。このブログでも再三再四「警句しているバブル(泡)取り引き」です。

果たして、AIがどれ程の利益をもたらすのか?

 投資家の胸中にあるのは、BIGテック企業自身が「収益にAIがどの程度貢献しているのか?」を正確に説明していないことです。これが投資家を不安にさせています。
 先日、メタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、AIへの過剰投資を巡って「最悪のシナリオでは、多少の損失と減価償却が発生するだろう」としながらも、時間をかけてその投資を活用し、会社として成長することになると説明した。

4社4様の経営手法...

 アマゾンを除く3社の株価は、AI競争の勝者になるとの期待から今年大幅に上昇しました。しかし、30日の米国株式市場では、公表された各社の投資コストを投資家がはじく中、アルファベットの株価は上昇、マイクロソフト株とメタ株は売られました。
  • 特に、メタの株価は30日に11%以上の下落(31日も引き続き下落)、マイクロソフトは3%安で取引を終えました。多額の投資を回収しリターンを生むのに要する時間への懸念を映した形です。
  • アルファベットは一時6%高まで買われ、約3%高で終了。株価上昇は、高騰する費用と強力なキャッシュフローをバランスさせていることだ。と市場スズメは語ります。

設備投資額が営業キャッシュフローに占める割合

 アルファベットの第3・四半期の設備投資額は営業キャッシュフローに占める割合が49%。メタは64.6%、マイクロソフトは77.5%、アマゾンは約90%と更に高い。
  • 「一部の同業他社とは異なり、アルファベットはその支出をキャッシュフローでカバーしており、全てのシリンダーをフル回転させている」とeToroのギルバート氏は述べた。
  • シノバス・トラストのポートフォリオマネージャー、ダン・モーガン氏は、「キャッシュフローに余裕のある企業は、AIインフラにより積極的に投資する余裕がある。投資リターンが低くても許容できる」と指摘する 。
 BIGテック企業でさえ、身の丈に合わない投資(額・規模)が懸念される中であっても、これら経営陣はAI需要に対応するには投資が必要と主張しています。

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編集後記

 アルファベットの資金力に関して、ロイター電・ブルムバーグ電共に良好な記事・コメントを発しています。決して無理をしているようには見えず、複数の事後対応も考慮しながら、設備投資を進めているように思えます。
 嘗て、バフェット氏が「初期のグーグルへ投資しなかったこと、大いに反省」の記事が某紙に掲載されていました。賢人をうならせた企業形態ですから、自然と株価が上昇するのもむべなるかな...。