減量薬のノボノルディスクが通期予想を下方修正、株価急落...
米イーライリリーを筆頭に「減量薬」の売り上げが世界で急騰している中、肥満症治療薬「ウゴービ」販売が伸びずと、デンマークの製薬大手ノボノルディスク(インシュリン薬が有名)が通期業績見通しを引き下げました。
これを受けてデンマークのコペンハーゲン市場で同社の株価は一時30%下げ、1日の下落率としては過去最大を記録したのです。PER的には充分安値になったいます^_^。
ノボは29日、為替変動の影響を除くベースの通期増収率を8-14%、営業利益の伸びを10-16%に修正。従来の増収率予想は13-21%、営業利益の増益率は16-24%と見込んでいた。
この発表は予定外で、コペンハーゲン市場で同社の株価は一時30%下げ、1日の下落率としては過去最大を記録。3年5カ月ぶりの安値に沈んだ。売りは他の製薬企業にも広がり、デンマークの肥満症治療薬開発企業ジーランド・ファーマは一時9%安、グブラは同8.4%安。米イーライリリーも米国時間早朝の時間外取引で4.5%安を付けた。
ノボは5月にラース・ヨルゲンセン最高経営責任者(CEO)を更迭し、業績の立て直しを図っている。米ドラッグストアチェーンのCVSヘルスと新たな契約を結び、ウゴービの販売量は7月1日から増加するとの見通しをノボは示しているが、イーライリリーの競合薬「ゼップバウンド」とのし烈な競争は続いている。(ブルムバーグ紙)
デンマーク製薬大手のノボノルディスクは29日、2025年12月期の業績見通しを下方修正したと発表した。業績予想の引き下げは今期2度目となる。主力の肥満症治療薬に関して、最大市場の米国で『模倣薬』が出回り、販売が想定ほど伸びなくなっている。発表後に同社の株価は一時、前日終値比で30%下落した。(日経新聞社)
追伸
ノボノルディスク、コスト削減へ 肥満症薬の競争激化肥満症治療薬「ウゴービ」を製造するデンマークの製薬大手ノボノルディスクは、競合する米イーライリリーなどとの競争激化に対応するため、コスト削減を進める方針だ。今年後半は治療薬の成長が鈍化すると予想している。
同社は先週、2025年の業績予想を下方修正し、ベテラン幹部のマジアール・マイク・ドゥースダー氏を新最高経営責任者(CEO)に任命した。同氏は7日に就任する。
退任するラース・ヨルゲンセンCEOは「25年後半のGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)作動薬の成長見通しが悪化したため、通期見通しを引き下げた」と説明。
「このため、商業面での実行力をさらに高める措置を講じるとともに、将来の成長に向けた投資を継続しながら、コスト基盤の効率化も図っていく」と述べた。
同時に発表した第2・四半期決算は、ウゴービの売上高が前年同期比67%増の195億3000万デンマーククローネとなった。
売上高は前年同期比18%増の768億6000万クローネ(119億2000万ドル)。アナリストの当初予想には届かなかった。
利払い・税引き前利益(EBIT)は前年同期比29%増の334億5000万クローネだった。(2025/08/06 ロイター)