保有する米株を売却して、米ドルのまま保管すると損❓
米国株へ投資するには、「日本円で決済する方法」と「米ドルで決済する方法」があります。SBI証券を利用されている方なら「外貨(米ドル)決済」が一般的だと思います。
今、手持ちのドルが「日本円でいくらなのか?」は直ぐに計算できますが、「いくらで購入したドルなのか?」に関しては、とても難しい難問になります。
大概の個人投資家はこれを無視して、「保有するドルが直近のドル・円の外国為替で何円となるのか?」に集中している筈です。
今、手持ちのドルが「日本円でいくらなのか?」は直ぐに計算できますが、「いくらで購入したドルなのか?」に関しては、とても難しい難問になります。
大概の個人投資家はこれを無視して、「保有するドルが直近のドル・円の外国為替で何円となるのか?」に集中している筈です。
例題
- 当月、1ドルが150円である時に1万ドルを購入します。手数料を無視すると「1万ドルを得るために、150万円を支払う」ことになります。
- 翌月、1ドルが155円である時に、某株(株価は100ドル/株)を1万ドル購入(100株、外貨決済)して、手持ちの1万ドルで支払ったと仮定します(手数料を無視)。某株の円貨での評価額は155万円になります。
- 翌々月、1ドルが160円である時に、某株(株価は100ドル/株)を1万ドル売却(100万円、外貨決済)したと仮定します(手数料を無視)。外国為替が変動しているので、譲渡税が発生します。掲載方法は次のとおりです。
- 米ドルベースでは譲渡益がないので、譲渡税は発生しません。円貨ベースでは1ドルあたり10円の差益が発生しているので、売却金額1万ドル×10円× 20.315% =20315円の譲渡税が発生します。
- 貴方の外国証券口座へは、1万ドルが米ドル残高に計上されるのですが、円貨口座から譲渡税20315円の引き落としを要求されます。
- 正しくは、10000ドル - 625ドル(10万円/160ドル)× 20.315% = 9873ドルが、外国証券口座へ一時的に入金されます。後刻、円貨口座から20315円が引き落とされた後、10,000ドルへと復活します。
- 10万円の引き落としができない場合、貴方のメールアドレスに証券会社から「督促状」が届くことでしょう。SBI証券からの譲渡税徴収に係るメール通告...
- 結果、米ドルでは株価変動がなくても、外国為替が「円安に進む程」譲渡税の支払額が増加します。受け取るドル貨の増減はなくても、以前の150円/ドルではなく、160円/ドルに変貌している訳です。
- この段階で、証券口座から1万ドルを引き出して円貨に換える(手数料を無視)と、160万円を得ることができます。即ち、20315円の譲渡税を支払ったけれども、差し引き79685円の実益を得た訳です。
- 但し、ドル貨のまま証券口座内で保有し続けると、名目上は1万ドルの残高ですが、譲渡税20315円を支払っている為、1万ドルは『減価された状態』になっています。
- 【保有する米株を売却して、米ドルのまま保管すると損❓】のカラクリを、1~10の例題で説明しました。
- なお、円高に進んだ場合は、これと逆の事象が発生します。
編集後記
税談議は尽きることがありません。ある種難解ですし、税務署は素人の問い合わせに満足に対応しきれないので、一概税理士さんに問い合わせることになります。AIが進化すれば、取り巻く環境も変わると思うのですが...。
書き足らないこと...
米株を購入するなら、ドル・円の為替値が限りなく「円安の時」がベストです。ドルベースでは利益が生じていても、円高進行によって「円貨ではマイナス」になっていることが多々あります。これも【保有する米株を売却して、米ドルのまま保管すると損❓】の一例となることでしょう。即ち、通貨は「価値の保存に適さないシロモノ」であるという事実です。

