投資ファンドの大好きな『メタ株』、時間外で急落...
- 26年の設備投資、25年を「大きく上回る」見込み-リーCFO
- 一時的な非現金の税務費用が159億ドル発生。7-9月期の純利益が27億1000万ドル。
- 7-9月期売上高26%増の512億ドル。市場予想上回るも時間外で株価が約8%下落...。
メタ、2026年の総経費が「大幅に増加する」と発表
29日、米メタは2026年の総経費が大幅に増加する見通しを示した。併せて、人工知能(AI)分野での取り組みを支える為、データセンターなどへの設備投資を過去最高水準で継続する方針を明らかにした。この発表を受けて、同社株価は時間外取引で次のように急落した。スーザン・リー最高財務責任者(CFO)は、2026年の設備投資が2025年を「大きく上回る」見込みだとし、来年の総経費も「かなり高い伸び率」になるとの見解を示した。
メタ株急落、経費大幅増の見通し-AIインフラ投資、高水準で継続 - Bloomberg
メタはAI投資が既にターゲット広告やコンテンツの向上に寄与していると主張しているが、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は2030年までに数千億ドル規模のAI投資を行う方針の妥当性を成果で示すよう求められている。
この日の7-9月(第3四半期)決算発表後の電話会見でザッカーバーグ氏は、演算能力拡大への強い意欲を示唆した。来年はインフラ基盤の拡充を図り、AI向けで業界トップクラスの演算能力を確保するため「初期段階で積極的に設備構築を進める」と表明。「投資不足にならないようにしたい」とも語った。
一方で、同社は一部でコスト抑制も進めている。先週にはAI部門「メタ・スーパーインテリジェンス・ラボ」(MSL)の効率化に向け600人を削減した。メタ、AI部門で約600人削減-競争激化で迅速な意思決定目指す - Bloomberg
ただアナリストの間では、過剰投資の可能性を警戒する見方が多い。インベスティング・ドットコムのシニアアナリスト、ジェシー・コーエン氏はメールで「AIインフラへの巨額投資と短期的なリターンを求める投資家の期待の溝が、メタの決算で鮮明になった。基盤事業の業績が堅調にもかかわらず、AI投資拡大が市場心理を圧迫している」と指摘した。
7-9月期売上高は26%増の512億ドルと、市場予想平均の496億ドルを上回った。メタは広告事業の利益をAI投資の原資に充ててきた。広告収入はメタの売上高全体の約98%を占める。
10-12月(第4四半期)については売上高が560億-590億ドルになるとの見通しを示した。ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均は574億ドルだった。
同社の株価は引け後の時間外取引で一時約8%下落した。年初来ではこの日の通常取引終値までに28%上昇していた。
同社の支出拡大は続く見通しだ。メタは25年の設備投資を700億-720億ドルと見込み、従来見通し(660億-720億ドル)のレンジ下限を引き上げた。年初からの累計設備投資は既に500億ドルに達しており、今後も投資が続くことを示唆した。(ブルムバーグ紙)