肥満症薬争奪戦、ノボが米企業に1兆円買収案-ファイザーに対抗
デンマークの製薬大手ノボノルディスク(NVO)と米ファイザー(PFE)は共にMyポートフォリオ内の一員です。まぁ、単に私が保有しているだけで、両者の間には資本関係等は一切ありません。
この両社が「肥満症治療薬開発の米新興企業メツェラ」に対して、買収を提案しているのです。記事を引用すると、次のとおりです。
- ファイザーと買収合意のメツェラに、ノボが最大で1株77.75ドルを提案
- メツェラはノボ案を評価、ファイザーに4日間の交渉期間を付与
(ブルームバーグ): デンマークの製薬大手ノボノルディスクは、肥満症治療薬開発の米新興企業メツェラに少なくとも65億ドル(約1兆円)での買収を提案した。メツェラは既に米ファイザーの買収提案受け入れで合意しているが、ノボはこれを上回る買収額を提示し、肥満症治療薬分野での有意を強化したい考えだ。
メツェラはノボの提案について、ファイザーの買収案よりも優れていると評価している。これに対しファイザーは、買収に横やりを入れるノボの動きを「無謀」で、市場の圧倒的な地位を悪用しようとする試みだと批判。「台頭しつつある米国の競争相手を買収し、法に違反してでも競争をなくそうとしている」と主張した。
肥満治療薬市場は、2030年までに1000億ドル規模に達する見通しだが、ノボとファイザーはいずれも苦戦を強いられている。この分野をリードする米イーライリリーは、30日の決算説明会で、いわゆるGLP-1技術を用いた減量薬市場で約58%のシェアを獲得したと明らかにした。
肥満治療薬がもたらし得る利益に着目した大手製薬企業は、メツェラのような有望な中小企業の買収を急いでいる。メツェラは、市場を主導するノボの「ウゴービ」よりも投与頻度が低い注射剤を含め、数種類の試験段階の減量薬を開発している。
みずほのヘルスケア担当スペシャリスト、ジャレッド・ホルツ氏は「ノボが頭越しに買収を狙うけケースは、少なくともここ最近の製薬業界ではまれだ」と指摘した。
ノボがメツェラ買収に成功すれば、新型コロナウイルス禍後の立て直しを図るファイザーにとって痛手となる。ファイザーの新型コロナワクチン需要は急減しており、主力医薬品の特許切れも迫っている。同社は独自の肥満治療薬の開発を進めていたが、臨床試験で肝障害の兆候が確認され中止した。
ノボの発表によれば、メツェラに対して現金前払いで1株当たり56.50ドルの一方的な買収案を提示。ブルームバーグが先に報じていた内容を確認した。特定の目標が達成された場合、買収額は最大で1株当たり21.25ドル、総額で25億ドル引き上げる可能性もあるとした。
成果分の支払いを含めると、ノボの買収提案は最大で1株当たり77.75ドルとなり、同70ドルとしているファイザーの提示額を11%上回る。
メツェラはノボの提案について、ファイザーの買収案よりも優れていると評価し、ファイザーには買収案変更の交渉期間として4日間与えられると発表した。その期間を経てもノボの提案がなお有利であると判断されれば、メツェラにはファイザーとの合意を破棄できる権利があるという。


