アマゾン、クラウド部門売上高が市場予想上回る伸び-株価急伸
NY株式市場が閉まった後、米アマゾン・ドット・コムが7-9月(第3四半期)決算を発表しました。クラウド部門アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が約3年ぶりの力強い成長を示しました。これは、同社が競合相手に押されているとの懸念を緩和したや大きな意味があります。
アマゾンも主要ライバルと同様、AIモデルの構築・運用を支えるデータセンター・半導体に対し巨額投資を進めている。ブライアン・オルサフスキー最高財務責任者(CFO)によると、7-9月期の設備投資は前年同期比61%増の342億ドルと、過去最高を記録した。(ブルムバーグ紙)
・サードパーティセラーサービス:12%増の425億ドル
・サブスクリプションサービス:11%増の126億ドル
7-9月期のAWS売上高は330億ドル(約5兆800億円)
発表資料によると、7-9月期のAWS売上高は330億ドル(約5兆800億円)となり、前年同期比20%増加しています。伸び率は2022年末以来最大となり、アナリスト予想平均(18%)も上回ったようです。7-9月期の同社全体の売上高は前年同期比13%増の1802億ドル。ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均1778億ドルを上回った。(ブルムバーグ紙)
時間外取引で、アマゾン株が急伸...
アマゾンの株価は引け後の時間外取引で一時、約13%上昇した。人工知能(AI)分野の恩恵がまだ十分に得られていないとの懸念がくすぶる中、同社の株価は今年、同業他社に出遅れていた。7-9月期ではマイクロソフトのクラウドコンピューティング事業「Azure(アジュール)」がAWSの倍近い増収率を記録し、アルファベット傘下グーグルのクラウド部門は売上高が33.5%増だった。(ブルムバーグ紙)
アマゾンCEO、AI関連の成果を公表する
決算発表後、ジャシーCEOはアナリストとの電話会見で、AWSの将来性に自信を示すとともに、これまで公表してこなかったAI関連の成果を次々に明らかにした。同CEOは「勢いがある。見ればわかる」と語った。(ブルムバーグ紙)
- 自社の小売りアプリに組み込んだショッピング用チャットボット「Rufus(ルーファス)」は、年100億ドルの売上高を新たに生み出す見込み。
- コールセンター向けソフト「Connect」は、年換算で10億ドルの売上高を記録する見通しという。
- 企業にAIモデルを提供するAWSのマーケットプレイス「Bedrock(ベッドロック)」は最終的に、主力クラウドサービス「EC2」に匹敵する事業規模になる可能性があるとした。
投資家は、再びアマゾンに注視する...
S&Pグローバルのアナリスト、メリッサ・オットー氏によると、クラウド、小売り両事業の堅調な業績は、AIバブルとの指摘もある中で過剰投資を懸念していた投資家を安心させた。「AWS事業がかなり好調であることが明確に裏付けられている」とし、「バブルの印象はない。事業は非常に順調のように感じる」と述べた。アマゾンも主要ライバルと同様、AIモデルの構築・運用を支えるデータセンター・半導体に対し巨額投資を進めている。ブライアン・オルサフスキー最高財務責任者(CFO)によると、7-9月期の設備投資は前年同期比61%増の342億ドルと、過去最高を記録した。(ブルムバーグ紙)
主なサービス別の売上高
・オンラインストア:10%増の674億ドル・サードパーティセラーサービス:12%増の425億ドル
・サブスクリプションサービス:11%増の126億ドル
・第3四半期末時点の従業員数(請負業者等を除く)は2%増の157万8000人
第4四半期(10月~12月)の業績見通し
- 売上高が2060億ドルから2130億ドルの間とした(前年同期比で10%から13%の成長)。
- 営業利益については、210億ドルから260億ドルの間とした(前年同期は212億ドルだった)。
- なお、この見通しには、事業買収やリストラ、法的な和解が追加で締結されないことが前提とされている。
アップル決算も良好...
アップルが30日発表した2025年7~9月期決算は、売上高が前年同期比8%増の1024億6600万ドル(約15・8兆円)、最終利益は86%増の274億6600万ドルだった。9月に発売した新型「iPhone(アイフォーン)」の販売が堅調で、4四半期連続の増収増益となった。(ブルムバーグ紙)
株価が時間外取引で急伸...
売上高の約半分を占めるアイフォーンの販売が6%増の約490億ドルだった。動画配信などサービス部門の売上高も15%増の約288億ドルと好調だった。結果、NY株式市場の時間外取引で、同社株価が急伸しています。編集後記
GAFAMの四半期決算報告が一応終わりました。
- 株価が上昇した(する)のは、「グーグル」「アマゾン」「アップル」
- 株価が下落した(する)のは、「メタ」「マイクロソフト」
上げ下げの幅は、発表前の期待値の大きさもあります。メタの場合は多額の社債発行が投資家不安を呼び起こしたのでしょう。値嵩株ゆえに、私たち個人投資家がおいそれと大量に取り引きできるシロモノではありません。ここが残念です...。