何処に資金があるのだ? 一体、どのようにして稼ぐのか?

 OpenAIがスターゲート拡大、米国内で5カ所のデータセンター新拠点 - Bloomberg

 対話型人工知能(AI)のChatGPTを展開する米OpenAIは、オラクルおよびソフトバンクグループと提携し、米国内5カ所に新たなデータセンターを建設するため、約4000億ドル(約59兆円)を投じる計画だ。
 米国内におけるAIインフラ整備に向けた総額5000億ドルの投資計画の一環で、これはこれまでで最大規模の取り組みとなる。(ブルムバーグ紙)
 米マイクロソフトは、ネビウス・グループの人工知能(AI)向けクラウド計算資源を利用するため、総額200億ドル(約2兆9500億円)近くに上る複数年契約を締結した。ネビウスはロシアのウェブ検索大手ヤンデックスから分離独立したオランダ企業。
 ネビウスが米証券取引委員会(SEC)に8日提出した文書によると、2031年までの契約額は174億-194億ドル相当となる見通し。ネビウスの出資者にはエヌビディアやアクセル・パートナーズが含まれる。(ブルムバーグ紙)
 米半導体大手エヌビディアは、対話型人工知能(AI)のChatGPTを展開する米OpenAIに最大1000億ドル(約14兆7900億円)を投資し、新たなデータセンターやAIインフラの整備を支援する。
 今回の大型合意は、ChatGPTのようなAIツールとこれを稼働させるために必要な計算能力への需要が急拡大していることを改めて浮き彫りにする。(ブルムバーグ紙)

要は、資金の出所よ!

 日々、これでもかといった具合に「この種の記事」が主要紙に掲載されています。数年先の合計額が何兆円にも上るのです。これを歓喜する投資家グループはハイテク株を買い漁り、結果、関連企業の株価が天井知らずに打ち上がるのです。

何処に資金があるのだ? 一体、どのようにして稼ぐのか?

グーグル以外は眉唾物かも...

 その原資は何処から調達するのかという事が抜け落ちています。営利企業ならば、売り上げから得た資金を提供するわけで、借入金で何もかも賄えることはできません。よって、AIを業務的に利用する企業から吸い上げた(吸い上げられるであろうと推測した)資金を充てるのですが、『捕らぬ狸の皮算用』にならねば良いですが...。グーグル以外は眉唾物です!

専門家のご意見を拝聴すると...

 OpenAIのような人工知能(AI)企業は、データセンターに数千億ドル規模の投資計画を次々と打ち出してきたが、その巨額の資金をどう捻出するのかは示していない。コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーは、資金不足が従来の想定を大きく上回る可能性があると試算している。(ブルムバーグ紙)
 コンサルティング会社ベインは、私同様に懐疑的にこれを眺めています。全文を引用するので参考にして下さい。
  • コンピューティング向けに2030年までに年2兆ドルの収入が必要に...
  • AI業界のバリュエーションやビジネスモデルが問い直されている。
 ベインが23日に公表した年次報告書「グローバル・テクノロジー・レポート」によると、AI企業は需要拡大に伴うコンピューティング能力の確保に向け、2030年までに年間で計2兆ドル(約300兆円)の収入が必要となる。
 しかし、ChatGPTといったサービスの収益化は遅れており、データセンターや関連インフラへの支出に追いつかず、年間で8000億ドルの収入不足に陥る可能性がある。

 この報告書は、AI業界の企業価値やビジネスモデルに対する懸念を一層強めかねない。OpenAIのChatGPTやグーグルの「Gemini(ジェミニ)」の普及が進み、各国の企業がAI開発にしのぎを削るなか、コンピューティング能力とエネルギー需要は急増している。
 一方で、AIがもたらすコスト削減効果や、企業が新たに収益を生み出す力は、そのスピードに追いついていない。

 ベインのグローバル・テクノロジー部門責任者デービッド・クロフォード氏は「現在のスケーリング則が維持されれば、AIは世界的にサプライチェーンへの負担を強めていく」と指摘した。

 ブルームバーグのこれまでの報道によれば、OpenAIは年間で数十億ドルの損失を計上しつつも利益より成長を優先しており、2029年にはキャッシュフローの黒字化を見込んでいる。
 ベインは、AI企業が2030年まで利益を上げられない状況が続いた場合の影響については触れていない。

 ブルームバーグ・インテリジェンスによると、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズなど大手ハイテク企業は、2030年代初頭までにAI関連の年間支出を5000億ドル余りに拡大すると予測されている。
 OpenAIや中国のディープシークによる新モデル投入が需要を押し上げ、業界全体の投資を加速させている。

 さらにベインは、世界のAI向けコンピューティング需要が30年までに200ギガワットに達し、その半分を米国が占めると予測。
 技術やアルゴリズムの飛躍的進歩が負担を軽減する可能性はあるものの、サプライチェーンの制約や電力供給不足が成長を阻む恐れがあるとした。

 主要AI企業はコンピューティング能力の拡充に加え、製品開発にも巨額を投じている。複数の工程を限られた指示でこなす自律型AIエージェントが注目分野の一つだ。
 ベインは、今後3-5年で企業が技術投資の最大10%を、こうしたエージェントプラットフォームを含む中核的なAI能力の構築に充てると見込んでいる。(ブルムバーグ紙)

編集後記

ボロが出始めて来ました。次の記事をご覧くださいな...。

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