【バロンズ】ドル安が、⼤⼿ハイテク企業の業績への追い⾵に(サプライズ)

この記事は「バロンズ ダイジェスト版( 2025/06/29)」から抜粋したものです。

急激なドル安の影響は既に顕在化

 ここ数年、ハイテク企業の利益は⼈⼯知能(AI)、関税、設備投資などの要因によって⼤きく左右されてきた。しかし、⼤⼿米国ハイテク企業が本年7⽉に発表する四半期決算は、外国為替の影響(ドル安)を⼤きく受けたものになる。

ドル安の恩恵が最も⼤きいのはアップル

 ⽶国の⼤⼿ハイテク企業の中でドル安の恩恵を最も受けるのは、売上⾼の64%を⽶国外から得ている アップルだ。
 アップルは、嘗てアニュアルリポートで「⽶ドルに対する外国通貨の下落は、当社の外貨建て売上⾼および利益の⽶ドル建て価値に悪影響を及ぼす。これは総じて国際的な販売価格の引き上げにつながり、 当社製品の需要を減少させる可能性がある」と警告した。しかし、今や、同社が懸念した為替は(アップルにとって、ドル安の)追い⾵となり始めている。

【バロンズ】ドル安が、⼤⼿ハイテク企業の業績への追い⾵に...

⽶ドル指数は昨年から8%下落

 ⽶ドルを複数の外国通貨バスケットと⽐較すると、「⽶ドル指数は昨年から8%下落」している。この追い⾵が⽶国の多国籍企業の業績に反映され始めるのは、概ね第2四半期以降になる。 アップルは5⽉1⽇の第2四半期決算説明会で、「為替の逆⾵は改善するものの、依然として⾜かせになる」との⾒⽅を⽰した。しかし、それ以降、ドル指数は更に3%下落している。

ウォール街は、アップルの第2四半期売上⾼を下⽅修正した...

 ⽶ドル安に伴って、アップルの売上⾼が増加しているにもかかわらず、ウォール街はアップルの第2四半 期予想売上⾼を下⽅修正しています。これがアップル株が低迷している理由です。今後「決算サプライズ」が起こり得ることを暗に⽰唆しているとは思いませんか?

GAFAM+NVDAの四半期決算も期待できる?

 そして、これは何もアップル社だけの事ではなく、上図のようにGAFAM+NVDAの超大手多国籍企業もドル以外で受け取る比率が50%近くまで高いのです。第2四半期で「8~10%のドル下落」ともなると、これら米ハイテク企業の決算状況は、当初の会社見通しから大きく乖離(増加)するのは、間違いない(株価上昇⤴)ことになります✌。