主要な世界のクラウド・システム

 何処に居ても、誰でも「クラウドサーバ」と呪文を唱えています。四半期決算報告の席でも「当社のクラウド事業の伸び率は?」「営業利益率は?」を誇らしげに語ります。

主要な世界のクラウド・システム

クラウドシステムの占有率

 上図は、世界の主要プレーヤである「アマゾン・マイクロソフト・グーグル・その他の4社体制」の四半期ごとの占有率を折れ線グラフ化したものです。直近2026年の第2四半期の表記が2025となっている「お茶目な間違い」をお許し下さいな。グーグル・クラウドの占有率上昇が目立っていることが見てとれます。
 AmazonのAWSは市場シェアの28%、Microsoft Azureは21%、Google Cloud Platformは14%となっている。クラウド事業はAI導入の主要な源泉であるため、これらの数字は特に重要である。(Cloud Zero)

クラウドシステムの成長率

 直近の四半期決算の報告書に基づくと、アマゾン(AWS)の収益は37%増加しました。マイクロソフトは同43%、アルファベットは同82%でした。イヤハヤ、3社とも凄まじい数値です。

Amazon Web Services(AWS)

 アマゾン(NASDAQ: AMZN)のクラウドコンピューティング部門をAWSと称します。直近決算(第2四半期)では、売上高が約37%増加し、営業利益も前年同期比で63%以上改善したとの報告がありました。但し、第2四半期の世界全体のパブリッククラウド収益の28%を占め、2022年から続く下降傾向が続いています。

Google Cloud

 グーグル・クラウドはアルファベットが最も力を入れている事業であり、直近決算(第2四半期)では、売上高が約82%増加し、営業利益は200%以上増加しています。
  • グーグルのクラウド事業の成長率は82%で、マイクロソフトの43%を上回っている
 但し、こうしたパーセンテージに基づく比較には重要な注釈があります。つまり、Googleのクラウド事業は、当初の規模がかなり小さかったため、アルファベットが相対的に大きな飛躍を遂げ易かったことです。そして、Google Cloudは世界のクラウドビジネスにおけるシェアを拡大​​し続け、前四半期には15%という新記録を達成しました。Google Cloudは市場シェアを拡大​​している一方、アマゾンのAWSは徐々にシェアを失っていることです。

マイクロソフト Azure

 Microsoftのシェアは2024年初頭にピークを迎え、現在は20%で、数年来の最低水準に迫っています。しかし、マイクロソフトには広く利用されている業務効率化ソフトウェア群、企業との強固な関係、そしてクラウド事業の成長を支える巨大なデータセンターがあり、同社の地位は盤石であり続けると思われます。
  • Azureはクラウド市場シェアの21%を占め、Google Cloudの14%を上回っており、Microsoftは企業向けAI提供において圧倒的な勢力としての地位を確立している。

ドル建では?

 上図グラフには表れていない情報もある。つまり、ドル建てで見ると、Google Cloudの売上高は111億ドル以上増加し、Amazon Web Servicesの純増額である約114億ドルとほぼ同額になったということ...。これは、市場シェアの相反する変動よりも、さらに重要な意味を持つかもしれない。

グーグル・クラウドの優位性?

 ズバリ、使い慣れていることでしょう。Googleは、メール、オフィス生産性ソフトウェアなど、ビジネス向けの幅広いサービスを提供しています。また、特に人工知能コンピューティングの顧客にとっては、パフォーマンスも重要な要素となるでしょう。
 これは、マイクロソフトの「Azure」にも言えることです。もっとも、アマゾンも手をこまねいている訳ではありませんが...。

NTTとの競合・協業は?

報道では、次のブルムバーグ記事が目に留まりました。
 非公開の協議だとして匿名を条件とした関係者らの試算では、米エヌビディアなどのAI半導体を除き、国内のデータセンターには1メガワットあたり20億-25億円のコストがかかるとの前提に基づいている。投資規模は計算資源の需要によって変わる可能性があるという。

 NTTデータGの広報担当者は、同社の方針を理由に投資計画については公開しないと述べた。5月のインタビューで、NTTグローバルデータセンター・ジャパンの鈴木康雄社長(当時)は、世界第4位の経済規模を持つ日本では、今後コンピューティング需要も拡大が見込めると述べていた。

 同社では顧客からの要望を踏まえ、26年には合計42メガワット分を増強する。27年には栃木県で100メガワット分のデータセンターの建設を始める予定だ。
 鈴木氏によれば、日本で自前でもデータセンターを拡大している米アマゾン・ドット・コムのクラウド部門アマゾン・ウェブ・サービスやマイクロソフトなどからの引き合いも強い。NTTデータGのデータセンタービジネスの売上高の約8割をハイパースケーラー向けが占めているという。

 「私の視点からすると競合はいない」と鈴木氏は話す。電力の調達などさまざまな理由があり、データセンターを建設する事業者は多くなく、高い需要に対して供給が限られているためだ。またAI関連投資ではバブルへの警戒感が起きているが、NTTデータGでは需要の鈍化を示す兆候はほとんど確認されていないという。(ブルムバーグ紙)

編集後記

 これらビッグ3による占有率争いは激しくなることが確実ですし、オラクルやメタの躍進も無視できない現象です。自動運転の自動車の進化やドローン技術の広範囲な応用も視野に入れると、益々クラウドサーバーは拡大・進化を遂げるのは間違いない事でしょう。