給与所得者の「自社株買い」は、危険(全てを失う)…

 民間企業は倒産リスクを常に背負っています。よって、株式投資家は複数セクターに分散投資を行い、危険分散を図ります。一方、サラリーマンは勤め先からの幾許かの助成金・補助金があって、「自社株の積立買いを推奨」されています。以前程ではないにしろ、会社首脳陣へ『愛社精神の塊』を体現する最適な技法なのです。

自社株の無償交付を従業員に拡大する

 今般、「自社株の無償交付を従業員に拡大」との記事が掲載されていました。会社が行った自社株買いの株式を従業員に付与するというものです。無償交付とは名ばかりで、相当額を人件費抑制に充てられるのです。
 つまり、「株価の引き上げ+人件費の抑制」といったダブル効果を狙った措置になります。従業員にとって「勤め先の株式を保有すること」は、全てを失う危険性を内包する『大変厄介なシステム』になるのです。

人件費を抑制する新しい手法

 経営者は、渋々取得した自社株式を人件費に充当できるので、大変『美味しい』システムですが、外部の投資家にとっては「使いまくった交際費の残りカスを配当金原資とする」にあたかも等しく、全くふざけた話です。では、次に掲載されていた報道記事を引用します。


 企業の成長投資を後押しすることを目的に、経済産業省は月内にも会社法改正に向けた報告書をまとめる方針だ。
 企業が保有する自社株を柔軟に活用できるようにし、従業員への無償交付や、海外企業の合併・買収(M&A)の際に相手企業の株主に交付することを可能にするよう求める。2月に始まる法制審議会(法相の諮問機関)での議論に反映させる狙いがある。

 現行の会社法では、自社株を無償で交付できる対象は取締役や執行役らに限られている。従業員が自社株を保有するには、あらかじめ決めた価格でストックオプション(自社株購入権)を取得するなどの手続きを経る必要があった。

 法改正により、従業員や子会社の役員・従業員への無償交付を解禁すれば、従業員らが株主となるため働く意欲の向上につながり、業績アップで個人の所得増加も期待できる。成長性の高い企業は優秀な人材確保につながる可能性がある。

 自社株を活用したM&Aについては、買収先の株主から株式を譲り受け、その対価として自社株を交付する「株式交付」と呼ばれる仕組みを活用する。
 現在は国内企業同士の買収に制限されているが、海外企業に活用できれば新たな資金調達が必要なく、企業が成長に向けた投資に踏み切りやすい。産業界からも解禁を求める声があった。このほか、株主総会をオンラインだけで開催できる法改正も目指す。