アマゾン、7─9月期決算の内容は悪くないが...(短観)
米アマゾン・ドット・コムが29日発表した第4・四半期(10─12月)業績見通しは、売上高の予想レンジ下限が市場予想を下回った。
第3・四半期は直近12カ月ベースの現金流出が424億ドルとなった。設備投資が772億6000万ドルと、LSEGがまとめた市場予想を約200億ドル上回った。
前期は76億ドルの現金流出、前年同期は148億ドルの現金創出を報告していた。
アンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)はアナリスト向け電話会議で、27年の設備投資は26年を「大幅に上回る」との見通しを示したが、詳細は明らかにしなかった。
インフレ高進に伴う家計負担の増加で消費支出が圧迫される中、年末商戦で小売需要の鈍化に対する懸念が高まった。第3・四半期の多額の現金流出も明らかにし、株価は時間外取引で約7%下落した。
米アマゾン・ドット・コムが2026年10月29日に発表した2026年7〜9月期(第3四半期)決算は、売上高が前年同期比12.1%増の2,019億4,400万ドル、純利益が同2%減の206億8,500万ドルとなった。第3・四半期は直近12カ月ベースの現金流出が424億ドルとなった。設備投資が772億6000万ドルと、LSEGがまとめた市場予想を約200億ドル上回った。
前期は76億ドルの現金流出、前年同期は148億ドルの現金創出を報告していた。
主要な業績ハイライト
- 売上高: 2,019億4,400万ドル(前年同期比12.1%増)
- 営業利益: 280億8,000万ドル(前年同期比61.2%増、2四半期連続で過去最高を更新)
- 純利益: 206億8,500万ドル(前年同期比2%減)
- 希薄化後1株当たり利益(EPS): 1.89ドル(前年同期は1.95ドル)
部門別の動向
- クラウド事業(AWS): 売上高が前年同期比39%増の459億8,400万ドルとなり、約5年ぶりの高い伸びを記録。生成AI向けの需要拡大が寄与しました。
- 広告事業 : 売上高が196億ドルとなり、プライムデーの開催時期のずれ等の影響もあり、市場予想を下回りました。
- 純利益の減益要因 : 前年同期にAI企業アンソロピックへの投資で多額の営業外利益を計上していたことによる「反動減が影響」しています。
クラウド事業が成長を牽引
第3・四半期のAWSの売上高は前年比39%増の460億ドル。伸び率は第2・四半期の37%からやや加速し、約5年ぶりの高水準となった。LSEGがまとめた市場予想は38.2%増の456億1000万ドルだった。2026年の設備投資は2200億ドル
アマゾンは競合他社と同様、人工知能(AI)ソフトウエアとインフラの開発に巨額を投じる方針で、2026年の設備投資を2200億ドルと見込んでいる。同社は今回、この見通しを据え置いた。アンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)はアナリスト向け電話会議で、27年の設備投資は26年を「大幅に上回る」との見通しを示したが、詳細は明らかにしなかった。
各方面からのコメント
アプタス・キャピタル・アドバイザーズのポートフォリオマネジャー、デーブ・ワグナー氏は「今回の決算で悪い部分はフリーキャッシュフローのようだ。事業活動で潤沢な現金を生み出したが、設備投資がそれを完全に飲み込んでしまった」と指摘。「このトレンドはかなり急で、かなりマイナスだ。それが今回の決算で懸念される大きな点だ」と語った。(ロイター)
アンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)は、「われわれの戦略は機能しており、当面はそれが続くと見込んでいる」と述べ、投資家の懸念払拭に努めた。クラウドコンピューティング部門「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」の売上高は早ければ5年で1兆ドルに達する可能性があるとし、「アマゾンの売上規模に迫る他の小売企業は見当たらない」と語った。(ロイター)
インベスティング・ドット・コムのシニアアナリスト、ジェシー・コーエン氏は、株価下落の理由としてフリーキャッシュフローと「弱い業績見通し」を挙げ、「アマゾンの第3・四半期決算は二重の失望を招いた」と述べた。(ロイター)
編集後記
アマゾンやアルファベットは、「お化粧前の素顔」「速足で駆け抜けたい思い」を満載にしていて、一方のマイクロソフトは「化粧直し後の素顔」「石橋を叩いてでも確実に進む腹積もり」だと捉えています。
対株主や対マスコミへの発信ビジョンも、異なる姿勢を各自取りました。数年後の各社の売り上げや利益額の比較が楽しみです。
