マイクロソフト株をオプション市場で垣間見ると...
現物株の取り引きを主なターゲットにするのが、一般人で生き残る個人投資家です。しかし、大きく財を成したい個人投資家は、「特化したオプション取り引き」を多用します。
これは投資家の推測が当たれば「リターンが大きく」、外せば「掛け金を没収」されるゼロサムゲームの取引です。レバレッジが掛かっているので、オプション市場は我々の想定以上に巨大な規模です。
そして、オプション市場が示す将来的な数値は、変化に飛んでいてジッなどしていません。めちやくちゃ激しく変化するので、追い続けないと見失ってしまいます。
フォーブス ジャパン誌に、次のようなMicrosoft株のオプション取引記事が掲載されていたので引用して紹介します。
マイクロソフト株を持っているなら、オプション市場を見るかぎり、あなたは今後1年間に起こりうる極端に幅広い結果(収益増大や暴落リスク)を、すでに丸ごと引き受けていることになる😖😖😖
2つの異なる未来を映し出す
オプション市場は、マイクロソフト(ティッカーシンボル:MSFT)株について、まったく違う2つの未来を映し出している。- 一方のシナリオでは、株価は1年後に240ドル(約3万8640円。1ドル=161円換算)前後で着地する。
- もう一方では、株価は1年後に509ドル(約8万1949円。1ドル=161円換算)近くまで上がる。
マイクロソフト株を持っているなら、あなたはこの両極の間のどこに転んでもおかしくないリスクを背負っている。それは、日々の値動きだけを見れば特に荒れているようには見えない株に、こっそり潜んでいる変動の大きさ(ボラティリティ)なのだ。
具体的なリスク水準
これは単なる予測ではない。現在のオプションの取引価格から逆算された、具体的なリスクの水準だ。オプション市場は、市場参加者が想定しているリスクを測るための1つの分析枠組みを提供している。 現在、マイクロソフトの今後1年間におけるインプライド・ボラティリティ(予想変動率)は37.1%と算出されている。
この数値は「株価が68%の確率でこの範囲に収まる」という広範な価格帯を意味しており、その下限は現在の株価を約32.0%下回る水準、上限は約44.4%上回る水準にまで及ぶ。投資家は、この上下両方向への非常に激しい値動きに直面している。
予想変動率は実績の1.41倍...
37.1%という予想変動率は、通常の水準を大きく外れている。これは、過去1年間に同社株が実際に示した実績変動率(26.3%)の1.41倍に達している。 端的に言えば、市場はマイクロソフト株の過去の値動きから考えても、かなり大きな不確実性を先行きに織り込んでいるのだ。
これは単なる一時的なノイズ(根拠のない価格の揺らぎ)ではない。同社の将来をめぐって議論されている、非常に明確で未解決のテーマに対する市場の評価(値付け)なのだ。
急拡大するAI事業と約30.59兆円の設備投資...
この緊張がどこから来ているのかは、同社自身の戦略を見ればわかる。 一方には、急速な事業拡大がある。経営陣は最近、自社の「AI事業は年間経常収益(ARR、契約から毎年見込める売上高)で370億ドル(約5.96兆円)を超え、123%伸びた」こと、そしてマイクロソフト・クラウドの売上高が540億ドル(約8.69兆円)を上回り、前年同期比で29%増えたことを強調した。さらに同社は今、「Microsoft 365 Copilotの有料シート数(利用契約数)が2000万を超えた」と誇る。
値上がりに賭けるコール(買う権利)も需要増...
こうした好調ぶりは、株価を先ほどの値幅の上限へと押し上げる力になりうる。市場の雰囲気についても一言添えておくと、オプション取引のトレーダーは今、値下がりに備えるプット(売る権利)よりも、値上がりに賭けるコール(買う権利)に高いお金を払っている。設備投資の総額が問題だ...
しかし、その成長にはかなりのコストがついて回る。議論のもう一方の柱は、その拡大を支えるためにいくら投じる必要があるか、という点だ。 経営陣は直近の決算説明会で、2026年に「設備投資としておよそ1900億ドル(約30.59兆円)を投じる見通しだ」と述べた。この金額をめぐって、あるアナリストは、売上高の伸びに比べて設備投資が膨らむ速さが速すぎる、と指摘し、それが「投資家をいくらか不安にさせる食い違い」を生んでいると語った。
煎じ詰めれば、問われているのは、AIから返ってくる利益がこれほどの支出に見合うのかどうかである。別のアナリストが「企業のIT支出全体は今後も増える見込みがない」と指摘しているだけに、なおさら重い問いだ。
予測に頼らず分散投資で備えろ...
急速な成長と巨額のコスト、このどちらが株価をより大きく動かすかを、あなたが選ぶことはできない。あなたにコントロールできるのは、この不確実性にどれだけ身をさらすか、その度合いだけである。 これほど大きな値動きが見込まれる株を持つなら、当てずっぽうの予測ではなく、規律あるやり方で資産配分を管理する必要がある。
つまり、1つの銘柄にいくらまで賭けるか(ポジションの大きさ)を決め、投資先を分散させることが、それだけ大事になってくるということだ。
2027年の増収増益を注視する
株主として何より見ておくべきは、売上高がこれから伸びていく話が、膨らむ設備投資との兼ね合いでどう展開するかだ。 経営陣は「2027会計年度も、売上高と営業利益がそろって2桁伸びる年になると見込んでいる」と語っている。
が、しかし、同社がこの約束を本当に果たせるのか、そしてどれだけ利益を出せるのか──それが、今あなたの株に織り込まれている大きな不確実性を解きほぐす決め手になるだろう。(フォーブス ジャパン)
編集後記
私は、Microsoft株へ総資産の25%を超える投資(株買い)を行っています。他銘柄への分散は、主は他のBIGテック株ですし、ディフェンシブ銘柄・配当取りのタバコ株となります。
Microsoft株にはこんなリスクが存在しているなんて想定外ですが、オプション市場は日々、刻々とデータ類が変動しますから、1週間後も同じデータというわけではありません。現在は、上記で紹介されていた上限下限の取り引きなのです。
2026年3月31日付けの提出書類によると、ブラックロックはマイクロソフト社の発行済み株式の7.99%、すなわち5億9333万株を保有する最大の機関投資家である。(Insider Monkey)
2026年7月2日終値時点で、マイクロソフト(NASDAQ:MSFT)に対するアナリストのコンセンサスも非常に強気でした。36人のアナリストが同社株を分析し、そのうち35人が買い推奨、1人が中立、売り推奨はゼロでした。1年間の目標株価の中央値は562.10ドルで、40%以上の上昇余地があると見込まれています。(Insider Monkey)
マイクロソフト(MSFT)への投資の可能性は認めつつも、当社は特定のAI関連銘柄の方がより大きな上昇余地があり、下落リスクも少ないと考えています。(Insider Monkey)

