愚策 : 退職一時金の廃止が広がる風潮...

 本日の朝刊で、日経新聞見出しによると次の記事が掲載されていました。ふと目に留まったので、さわり部分の紹介と議事に対する論評を書き綴ります。

 伊藤忠商事の化学品子会社タキロンシーアイは4月に退職一時金を廃止した。約1200人の国内全従業員が対象で、原資の一部は給料の引き上げに充てる。若手が歓迎する一方、「会社に見放された」とシニアは反発。1年に及んだ労使交渉は難航を極めた。

 3月には王子ホールディングス(HD)が新入社員の退職一時金をなくすと明らかにした。雇用の流動性が高まる中、日本型雇用の象徴である終身雇用を前提とした退職金制度にも...(日経新聞)

私の退職金は、税込み4千万円程でした

 私は、5年前の62歳の時に「① 退職職一時金」と「② 退職企業年金(脱退一時金)」と「③ 早期退職慰労金(基本給相当額の6カ月分)」の3種の給付金を受取りサラリーのマン生活と決別しました。
 以降、無職・投資家生活を開始して小金を稼ぎ、66歳から厚生年金・国民年金を65歳に遡って受け取りました。「繰り下げ受給」は拒否しています。更に、相続した成果の土地家屋を不動産業者へ売却しています。

これでも、前任者たちより減額されている

 これらは、勤めていた『某会社の給与規定』に明記されていて、金額的には税込みで4千万円を少し下回る程度であったと記憶しています。私より5年前に退職された諸先輩方と比べて400万円程少なく、10年前の方と比べると800万円程の減収となっています。
 退職金は「給与の一部、更に後払いだ」と、労働組合専従の諸先輩方に散々レクチャを受けた昭和時代。私なんぞは、このような激動を経た令和時代の退職組に過ぎません。

会社は喰らうべき、豊富な資金を持ったエサ

会社は喰らうべき、豊富な資金を持ったエサ

 そして、筋金入りの労働貴族の先輩方に、年を経るごとに「会社は喰らうべきもの」で「搾取されず、逆に如何に何をどれだけ会社から合法的に搾取できるか?」に、これからの「君のサラリーマン人生が掛かっているんだ...」と、教え込まれたものです。

今の時代、労働組合が尻込みして腰砕け...

 一言で申し上げて、果実の山であった「組合活動」が、今やなし崩し的に砕けてしまっていて、経営者・資本家・株主のやりたい放題が続いています。
 私は、株主として財産を築き・生計を立てているので、株主の立ち位置としては「退職金廃止 = 賛成派」ですが、「労働者= 反資本家・反株主」を社是とすれば、「退職金廃止 = 断固反対派」に属します。

NISAは富裕層の貯金箱である

 資本家の対極に位置する筈の『労働者階級』がもはや存在しない日本となって、さすがに哀れと感じた支配層が、搾取対象に成り下がったサラリーマン層へ情けを施したのが例のNISAシステムです。
 但し、非課税枠内を使い切れるのは富裕層であって、その日暮らしの貧困層にとっては「NISA貧乏へ入り込む」のがオチです。半永久的な非課税枠の『NISAをあっさりと認めた財務省の腹の内は此処にあります。即ち、自らのための制度改革なのです。

皆、バフェット氏の真似はできない...

 障害を持って生命を受け、生活保護を受けざるを得ない方々は別にして、「60年の長い歳月を何ら活用できなかった方 = 生活保護受給者」とレッテルを貼らせていただけるなら、退職金のない世の中が当たり前の世の中ともなれば、ますます自力で暮らせない者達が日本に「さも」溢れることでしょう。

銀行は消滅、投資・証券が生き残る

銀行は消滅、投資・証券が生き残る

 今や貯蓄など重宝されず、主要な駅前から旧都市銀行が撤去しているのは、正にここに原点があります。
 まぁ、その内、私の寿命も尽きて、さっさと「鬼籍に入っている」ことでしょうから、薄目で現世を眺め、首を垂れた皆さんがやって来るのを、苦笑いして待っていることでしょう。貯蓄より投資を全ての労働者に求めるのは無理があり、皆がバフェット氏にはなれません。

長い老後を生き残る術を身につける

 最先端の大企業へ就職して、名声を上げて富と独立に駆け上って、第二のイーロン・マスク氏を目指す者にとっては雀の涙程度の退職金など不要...。
 年度ごとの雇用契約でガッポリ稼ぐために今、ここに居る訳なので、翌年度以降の未確定賃金など不要の長物。さっさと支払ってもらいたいと思うのが当たり前でしょう。引く手あまたの者にとって、これもムベなるかな...です。

長寿者達の為に...

 しかし、65歳を超えた私であるから次のことが言えます。即ち、節々が痛くなる還暦の一歩手前の段階で、棚から牡丹餅の「退職金がない」のは厳しい現実である...。
 いずれ選挙対策で、時の政府は「小規模共済の退縮金創設」を認めろるでしょう。つまり、税引き後の自分のお金を積み立てて全額を税控除として認め、老後資金に充てるシステム創りです。こちらも富裕層向けに「自分自身の為に退職金を積み立てる」という事に進む筈です。
 長々と書き綴りました。年を経て、お金がない・お金が乏しいのは、ほんと気の毒な事です。常に、積み立てを継続しなければならないという事も個人労働者としても晒いことです。
 日本の労働者はいやが上にも米国の労働者と同等な労働・勤務システムに組み込まれていくので、貧乏な家柄に生まれると一生貧乏で過ごすことになりかねません。