NTT、失われた30年。今や時価総額はピーク時の4割減…

NTTが「NTTデータを完全子会社」すると発表...

 NTTデータの50%超株式を保有しているNTTは、5月9日から6月19日にかけて「NTTデータグループ株式の公開買い付け」を行い、1株当たり4000円で5億9281万968株を買い付けると記者会見で発表しました。 

NTTが「NTTデータを完全子会社」にするとプレス発表...

NTT、グループ再編を加速中...

 近年、NTTは自社グループの再編を加速して、2020年に上場子会社だったNTTドコモを完全子会社化、2022年にはグループの海外事業をNTTデータに集約していました。そして、今回のNTTデータ完全子会社化の措置です。嘗て、世界一であった時価総額が、今や見る影もない4割減となっています^^。

光技術を活用する次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」

 前身となる日本電信電話公社(電電公社)が1985年に民営化してから40年。企業の時価総額で一時世界首位となったNTTは海外展開につまずき、米IT(情報技術)大手などに差を付けられました。光技術を活用する次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」を武器に、海外を中心に挽回する一歩となります。

世界に打って出るには、分社化は不適...

 嘗て、通信技術の世界的先導社であり、株式時価総額で世界有数であったNTT。今では見る影もなく、技術革新を標榜する「AI騒動」でも片隅に置かれています。これも、『NTTによる儲け過ぎ、肥大化し過ぎを回避するため、法律でタガを嵌める等の分社化を進めた結果』です。なお、今でもNTT法がしっかり残ってはいますが...。海の向こう米国では、グーグルのスピンオフをシャカリキに進めている対応とは、心底真逆となります。

世界に打って出るには、分社化は不適...

報道内容の一例

 NTTが上場子会社のNTTデータグループを完全子会社化する方針を固めたことが8日、関係者への取材で分かった。親子上場の解消で経営を効率化して意思決定の速度を上げ、データグループが主に担う海外事業の競争力を強化。再編の投資額は2兆円を超える見通しだ。

 データグループは国内外のITサービスや、人工知能(AI)の普及で注力するデータセンター事業などを手がけるNTTの中核子会社。現在はNTTが株式の約58%を保有する。株式公開買い付け(TOB)で残りの株式を全て取得し、NTTデータグループは上場廃止となる。

 NTTは固定電話の縮小やITサービスの需要拡大といった事業環境の変化や海外展開の加速のため、グループの再編を段階的に進めてきた。2020年には約4兆円を投じてNTTドコモを完全子会社化しており、今回はそれに次ぐ大型投資となる。

 データグループは1988年にNTTから分離独立した。95年に上場。2023年には現在の社名に変更した。24年3月期の連結売上高は4兆3673億円、純利益は1338億円。

元記事 : NTTデータ完全子会社化 NTT、再編で2兆円 海外事業の競争力強化 - 産経ニュース

私の所感

 図体のデカいNTT(旧日本電信電話公社)は、米GAFAMの台頭を無下に許して「日本経済をドン底に落とし込んだ張本人」です。そして、その方向性に結果として導いたのが、当時の郵政官僚と政府自民党の族議員です。

NTT、失われた30年。今や時価総額はピーク時の4割減…

 NTTファミリーのチカラを削いで、NTTの技術力、開発能力を分散化させて、タケノコのように「世界で勝負できない企業群を増産」させたのです。
 嘗て、米国YAHOOが日本版のyahooポータルサイト、検索機能等を売却するイの一番手としてNTTと交渉を行っていましたが、凡そ1億ドルの売却価格に即断できないNTT経営陣は交渉を長引かせ、挙句の果て、孫氏率いる「ソフトバンク」に、これを横取りされたことは歴史的な事実です。
 そして、これに勢いを得たソフトバンク社のその後の伸張は、目を見張るものがあります。サラリーマン経営者の企業はダメですな。