『富』の集中が加速...

 先月29日(現地時間)、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が米連邦準備制度理事会(FRB)の資料を分析した結果、次のようなことが判明したという...。
米国の個人家計、株式保有割合
(数年前のデータ)
  • 米国では : 富裕層と超富裕層、ウルトラ超富裕層の間でさえも、格差が急速に拡大中。
  • 株式市場の好況が追い風 : ウルトラ超富裕層(上位0.1%)の資産がわずか5年余りで2倍以上に膨らみ、一般の米国人はもちろん、他の超富裕層や富裕層をも大きく引き離している。
  • この層(ウルトラ超富裕層)の保有資産は、米国全体の富の何と15%に達することが分かった。

上位0.1%の資産

 2019年末以降、計14兆5,000億ドル(約2,289兆1,200億円)増加した。このうち約10兆ドル(約1,578兆7,000億円)は、株式や投資信託の値上がりによるものだった。

 現在、米国の上位0.1%が保有する資産は約28兆ドル(約4,420兆3,600億円)で、米国の富の約15%を占める。この層の1世帯当たりの平均資産は2億ドル(約315億7,400万円)を超える。

最低資産額、4,580万ドル(約72億3,000万円)なり...

 2022年時点で上位0.1%に入るために必要な最低資産額は4,580万ドル(約72億3,000万円)だったが、その後、この層の資産が約50%増えていることから、現在の基準はこれを大きく上回っていると推定される。

富を膨らませた「資産所得の力」

 雇用されて給与をもらう形態ではダメ!自身で事業を起こして、得た資金を「金融市場(特に米国株市場)」へ投下することが肝要です。
 最上位のウルトラ超富裕層の資産を押し上げた最大の要因は「株式市場」だ。6月末までの1年間にS&P500種株価指数が21%上昇する中、上位0.1%は株式市場だけで資産が約4兆ドル(約631兆4,800億円)増える恩恵を受けた。
 企業業績の好調やハイテク株高が株式市場を押し上げ、株式を多く保有する層に富の増加分が集中した。上位0.1%は約13万7,000世帯にすぎない。
富を膨らませた「資産所得の力」

蹴散らす資産格差

 他の富裕層との格差も拡大した。同じ期間に、上位10%のうち上位0.1%を除く層の資産は38兆2,000億ドル(約6,030兆6,300億円)増加した。
 金額自体はより大きいが、この増加分を分け合う世帯数は上位0.1%のほぼ100倍に上る。最上位層の1世帯当たりの資産増加額が、それだけ圧倒的だったことを意味する。

下位50%と上位0.1%の同程度は「数字のマジック」

 米国の下位50%と比較すると格差はさらに際立つ。下位半数が保有する資産総額は約4兆ドルで、上位0.1%が直近1年間の株価上昇で得た「資産増加分とほぼ同じ規模」だ。
 くれぐれも間違ってはいけない。保有する資産総額が同じではなくて、下位の資産総額と上位の資産増加分とが同じだという事実です。裏に、上位0.1%の資産総額が隠れています。

世帯単位で、下位50%の3千倍以上の資産を保有

即ち、下位50%の1世帯当たりの平均資産は約6万3,000ドル(約994万6,000円)で、下位50%が保有する資産は米国全体の2.3%にすぎない。上位0.1%世帯の平均資産は、下位50%世帯の3,000倍以上だ。

但し、これだけは言える...

 下位50%の資産も、新型コロナウイルスのパンデミック以降、住宅価格の上昇や政府の給付金、債務の減少などを背景に、増加率では他の階層を大きく上回った。資産を持ってさえいれば、増加したわけです。米国家計全体の資産も長期的には増加したからです。
 しかし、いつもの如く、これら層以外、データに現われない貧困層が多数存在する。彼ら・彼女らは忘れられ・道端に置かれたままとなっているのは、いつものことです。

編集後記

 金融に関する教育の大事さは言う迄もありません。ある意味で、『働いたら負け』なのです。そして、いつの時代よりも、どの親から生命を授かったのか、言い換えると「資産家の家庭に生まれるか、あるいは養子に入れば」、金銭的な面や教育の面で大変有利です。

事実誤認をするな!

 我々日本人は、この『世界基準・スタンダード』と対面していることを、決して忘れてはいけません。不用心に「心を開き過ぎ、国を・社会を開放する」と、あっという間に占拠されて、居場所すらなくなりますから...。