タバコ企業、『増税マジック循環システム』で安泰経営...
国際優良タバコ企業とは、英国籍で世界展開しているブリティッシュ・アメリカン・タバコ社(BTI株)、米国籍でアメリカ国内専業のアルトリア社(MO株)、米国に本部を置き米国以外を営業範囲としているフィリップ モリス インターナショナル(PM株)の3社を指す言葉です。なお、MO株は、2008年にPM株からスピンオフした会社です。
巨大な企業群に成長...
この3社の売上高や株価の時価総額は、「灰となって消え去るタバコ」を販売する専業メーカーとは想像できない程に巨大です。
主力である「紙巻きたばこ」の売り上げは「健康志向の高まり」で年々減少し続けていますが、「加熱式タバコ」や「無煙たばこ」の開発・販売もあって、売上高や利益額は上昇指向にあります。
値上げと増税のセット販売...
そして、忘れてならないのは「増税のカラクリ、ダブルマジック」のことです。別名「増税マジック循環システム」と命名できる程の値上げシステムになります。これを用いて、タバコ企業は期せずして増収・増益を成し遂げています。日本で近い未来、日々通うコンビニの店頭で、「20本入り一箱1000円」のタバコがお目見えすることでしょう。
値上げに次ぐ値上げで、利益が半端なく...
昨今、タバコ企業の利益率・利益額が向上した事由の1つとして、各国政府が「タバコ税を引き上げ続けた」ことです。日本も同様...。嘗て、タバコは生活必需品で「安値が当たり前」でした。政府筋も国民の反発を考慮して、低率の課税で済ましていました。
販売価格の引き上げ(値上げ)で増益...
しかし、健康志向等で国民の禁煙率が上昇すると税収が減少し始めたのです。これに対して、各国政府は税収維持のために「タバコ課税率を引き上げ」ました。
一方、タバコ企業もこれをチャンスとばかり、課税率引上げ時に自社の利益額を拡大するよう「タバコ販売価格を改定」します。所謂『タバコ販売価格の値上げ』に他なりません。発端は政府の課税率増加ですから、タバコ会社も堂々と値上げできるのです。
コアな紫煙家は、タバコを必ず購入する...
各国政府は、タバコ企業の値上げ(販売価格の上昇)を拒否できる筈もなく、毎回、課税率が上昇すればする程に、タバコ企業の利益率・利益額も増加し続ける「増税マジック循環システム」が見事出来上がりました。
*「コアな紫煙家(しえんか)」とは、たばこの煙(紫煙)を深く愛し、一般的な喫煙者を超えて、銘柄の選定や喫煙具、空間や哲学に強いこだわりを持つ熱烈な愛煙家のことです。(Google 検索 AI)
旧日本軍においてタバコは、平時や国内の兵営では売店(酒保)で買う「有料の嗜好品」でしたが、戦地や最前線においては士気高揚や必需品として「無料で支給(配給)」されていました。(Google 検索 AI)
3社の株価推移...
2008年のリーマンショック前後からの株価推移を見ていきましょう。右肩上がりの傾向が見てとれます。株価的に最も上昇が著しいのはPM株で、2008年3月と比較すると「3.7倍程度まで上昇」しています。昨今、株価が上昇する時期にあたっているようですが...
- BTI株 : 2008年3月末頃(36.85ドル)から1.55倍の株価上昇
- MO株 : 2008年3月末頃(21.71ドル)から3.03倍の株価上昇
- PM株 : 2008年3月末頃(21.71ドル)から3.73倍の株価上昇
配当金の推移...
配当金を検証していきます。次のデータはGoogle検索AIによる回答値です。業界トップのPM株の配当率は3%ほど、BTI株やMO株の配当率は6%前後を維持しています。
- BTI株 : 2008年の配当金(1.31ドル)を基にした配当率3.55%(現在5.83%)
- MO株 : 2008年の配当金(1.16ドル)を基にした配当率5.34%(現在6.45%)
- PM株 : 2008年の配当金(1.54ドル)を基にした配当率3.02%(現在3.09%)
編集後記
「高い塀と深い堀を持つ企業が、株式投資には最適である」このように述べたのはバフェット氏です。嘗ては成長産業と見られていた国際タバコ企業。
「健康志向の高まり」「肺がん = 喫煙」の図式が世に浸透したことで、世界の嫌われ者となった国際タバコ会社...。各国政府は「世のアンチ煙草派」の勢いを得て、あの手この手を用いてタバコ販売に圧力を掛けたのです。しかし、行ってみたものの「税収減少」に頭を悩ますことになった。
タバコへ懲罰的な課税...
そこで登場したのは、課税強化の伝家の宝刀です。反社会的なタバコ販売に「懲罰的な税」を課しても、ガタガタと愛煙家から文句を云われても、投票所へ足を向ける有権者には「反タバコ派が多数」の事実が有って、落選することがないのです。イケイケドンドン、税率アップが続きます。そして、その陰で『タバコ会社による利益増大策』がチャッカリと組み込まれていたのです...。



