フランス国債の下落(利回り上昇)が止まらない...

フランス危機深まる、投資家離れ加速...

 糞尿まみれの汚い街の悪評がある「花の都パリ」...。人々が抱く幻想と現実の乖離が、投資の世界にも現われて来たようです。

フランス国債の下落(利回り上昇)が止まらない...

財政悪化と政治停滞を懸念

 フランスが政治・経済の難局を何とか乗り越え、比較的安全な投資先であり続ける。ユーロ誕生以降、投資家が抱いてきたこうした見方が揺らいでいる。

フランスの財政赤字が拡大

 世界的な債券売りの中、フランス債の下落は想定を大きく超える規模と速さで進んでいる。財政赤字の削減目標未達や政策の行き詰まりに加え、来年の大統領選で国の針路が大きく変わる可能性に警戒感が強まっている。今年の財政赤字は国内総生産(GDP)比5%に縮小するはずだったが、むしろ拡大に向かっている。

ドイツ債と1.52%乖離

 フランスの10年債利回りは6月以降に1ポイント余り上昇し、四半期ベースのパフォーマンスはユーロ導入以降で最悪となった。2日は4.95%と、2002年以来の高水準にある。同年限のドイツ債との利回り差(スプレッド)は、5月以降に急拡大し、152bp(bp、1bp=0.01%)と2011年の欧州債務危機以来の水準に達した。

フランス株、敬遠され始める

 フランス株も低迷している。バンク・オブ・アメリカの欧州ファンドマネジャー調査では、今後12カ月の投資先としてフランスが最も敬遠されている。

 フランス政府は1日発表した予算案に、今年達成できなかった赤字削減目標を実現するため、異例の大幅歳出削減を盛り込んだ。ただ、分断された議会はこれまで幾度も首相を退陣に追い込んできた。予算協議は再び内閣の崩壊につながりかねない。
 レスキュール経済・財務相は同日、他の欧州主要国との利回り格差を縮めるには、信頼を回復する必要があると指摘。「われわれにはできる。実現は可能だ」と述べた。

フランス政府債務、GDP比120%

 だが、政府債務はGDP比120%に迫り、ドイツのほぼ2倍に上る。一部の投資家は、2010年代前半にユーロ圏を分裂寸前に追い込んだギリシャ危機との類似点を指摘する。ブルームバーグが取材した数十人の投資家や市場ストラテジストの間でも、容易な解決策はないとの見方が強まっている。

フランス政府債務、ドイツの約2倍

 エネルギー価格の上昇や追加利上げ観測も重なり、国民の不安も高まる。債券市場の動向が新聞の1面を飾り、政府当局者は利払い費が国防費や教育費を上回ったと警告。ここ数日には、校舎の老朽化や教室の過密状態に抗議する学生が警察と衝突した。

2027年5月に大統領選選挙

 政治の先行きも見通せない。マクロン大統領の下で10年続いた中道政治に失望した有権者は、来年5月に新大統領を選ぶ。最近の世論調査では、最有力候補の極右マリーヌ・ルペン氏と、急進左派のジャンリュック・メランション氏が決選投票に進む可能性が示されている。
 中道候補が勝利しても、債務問題に本格的に取り組むための議会の過半数確保は難しいとみられる。
フランス危機深まる、投資家離れ加速...

更に、フランス国債が売られる...

 野村インターナショナルの欧州担当シニアエコノミスト、アンジェイ・シュチェパニアク氏は、対ドイツの上乗せ利回りが2027年末までに最大200bpに達すると予想。「フランスでは政治リスクが財政リスクそのものだ」と述べ、政治の分裂がさらに進む可能性を投資家は十分に織り込んでいないと指摘した。

 一方、過去2年間に見られた予算を巡る最悪の対立は回避される可能性もある。ルペン氏は危機の深刻さを認め、内閣打倒の動きを控える可能性を示唆した。予算が成立すれば、大統領選で勝利した際に緊急対応に追われず、法改正を進めやすくなる。

極右政‌党が最右翼...

 ルペン氏は当選すれば、財政赤字を制限する基本ルールの導入を問う国民投票を提案する方針だ。ただ、1250億ユーロの歳出削減目標の詳細はほとんど明らかにせず、燃料税の大幅引き下げなど財政負担の大きい公約も維持している。

投資家はユーロ安を見込む

 フランスが財政問題を制御できなければ、影響は国境を越える。債券市場を通じた混乱の波及や財政ルールの形骸化、欧州の指導力低下につながりかねない。ユーロは対ドルで16カ月ぶりの安値にあり、ヘッジファンドはユーロ安を見込む取引を増やしている。

 ソシエテ・ジェネラルのチーフエコノミスト、ミカラ・マーカッセン氏は「欧州の政策課題を前に進める政治的な余地が狭まるリスクがある。その点でフランスは極めて重要だ」と述べた。

フランス危機は、早晩には解決しない...

 ブルームバーグのストラテジスト、スカイラー・モンゴメリー・コーニング氏は「フランスの財政問題が近く解消する見込みはない。
 フランス国債は引き続き国債市場の問題児であり、その悪影響が通貨にも波及することへの警戒が強まっている。
 フランスの問題が他国に波及する懸念が生じる以前から、欧州中央銀行(ECB)による追加利上げは、成長への代償が大きくなり、いずれ利下げに転じるとの見方も強まるなか、ユーロを押し上げる効果が薄れつつあった。そこへ今度は、ソブリン債を巡る市場の緊張という新たな負荷が加わった」と述べた。

編集後記

 米国と同様に欧州でも政治不信、右翼化が進んでいるようです。「右翼化 = タバコ株、アルコール株に有利」の図式が成り立ちそうです。理想では生活できません..。「生成AI + タバコ」の組み合わせで、2027年を乗り切ります(笑)。