スペースX株 2026年第3四半期(7〜9月期)決算内容

 スペースX(SpaceX)が発表した2026年第3四半期(7〜9月期)決算は、売上高が前年同期比161%増の145億8,000万ドル(約2兆3,068億円)、純損益が44億ドルの黒字(上場後初の四半期黒字化)となりました。

スペースX株 2026年第3四半期(7〜9月期)決算内容

主な決算ハイライト

  • 売上高: 145億8,000万ドル(前年同期比161%増、市場予想の約127億ドルを大幅に上回る) 
  • 純損益: 44億ドルの黒字(前年同期は11億ドルの赤字から劇的に改善)
  • AI・超知能(SI)部門: 売上高が前年同期比約10倍の75億6,000万ドル、営業利益は4億3,100万ドル(約681億円)を記録。他社へのAIインフラ(GPU搭載サーバー等)のデータセンター設備貸し出しが急拡大
  • スターリンク・通信部門: 売上高は52億ドル(前年同期比69%増)、個人向け契約者は1,360万人を突破
  • 宇宙・ロケット部門: 売上高は18億ドル(前年同期比6%増)、営業損益はほぼ均衡
  • 設備投資(CapEx): 合計196億ドルで、そのうちAI関連投資が164億ドルを占める

売上高830%増の内訳と営業黒字転換の要因

 SI部門の第3四半期売上高は前年同期の8.13億ドルから829.9%増、前四半期の25.60億ドルからも約3倍となる75.60億ドルに達し、通信部門の52.48億ドルを初めて追い抜いて最大の事業セグメント売上構成比51.9%へ浮上しました。

 内訳を見ると、Xを中心とする広告収入が前年同期比18.5%増の5.38億ドルであったのに対し、SIソリューションおよびインフラ収入が70.22億ドルと大半を占めます。

 このうち2026年8月14日に買収を完了したAIコーディング企業Cursorの連結寄与分が6.08億ドル含まれますが、それを除外した既存事業のソリューション・インフラ売上高だけでも約64.1億ドル(前四半期比192%増)に達しました。

 GoogleのGemini向け約11万基のNvidia GPU提供やAnthropicなどとのクラウド計算資源リース契約の発効に加え、自社モデル「Grok Bot」の商用利用拡大が収益を牽引しています。

まとめ

 経営陣は630億ドルの受注残高を背景に、2026年12月の年換算売上高(ARR)1,000億ドル超、2027年第1四半期売上高330億~370億ドルという強気なガイダンスを提示し、マスクCEOは2027年末までにARR 5,000億~1兆ドルに到達する可能性に言及しました。

 一方で、第4四半期は前四半期の一時的恩恵の剥落により粗利益率が正常化する見通しであり、超長期目標については確定的な業績予想ではなく経営陣の目指す最大規模として扱うべきだと考えています。

 また、短期的な需給およびガバナンス上のイベントにも目配りが欠かせません。今月も短期間で計16億株超に及ぶ大規模なロックアップ解除が到来するため、一部は織り込み済みとはいえインサイダーや初期投資家の売却による短期的な下押し圧力が警戒されます

 さらに現在スペースXとテスラが独立取締役による特別委員会を設置し、半導体製造(Terafab)、ロボティクス、AIソフトウエア、衛星通信の統合に向けた合併の検討を公表しています。

 ポジティブなイベントですが、テスラ側の総発行済株式の50%以上の賛成が求められるため実現の不確実性は高く、今後も激しい株価変動が想定されます。イベント後の需給を見極めつつ、分散して段階的に投資することが長期の資産形成に寄与すると考えています。

スペースXとテスラの合併構想

合併構想

 イーロン・マスクCEOは決算説明会で、スペースXとテスラの合併構想について「良いアイデア」だと言及しつつ、独立した特別委員会が協議中であることを明らかにしました。

編集後記

 好き嫌いは別にして、イーロンマスクたる人物は「とてつもなく強運」の持ち主であって、やることなすことを成功裡に導く「天賦の才を持ち合わせている」のでしょう。経営だけではなく、投資やお金儲け全般にも抜きん出た才能を如何なく・自然に発揮しているような...。
 「スペースX」の存在が、米国代表の一角となる日も近いのでは...