スペースX株はIPO価格の半値になる?

 宇宙探査技術企業スペースX(SPCX)の株価が、米国市場で新規株式公開(IPO)価格を下回り、ピーク時の時価総額から1兆ドル(約162.5兆円)超の評価額が消失した。
 *IPO価格は1株135ドルであったこと。上場初日の初値は150ドル、終値は160.95ドルであったこと。上場後、一時225ドルまで株価が急伸したこと。
スペースX株はIPO価格の半値になる?

IPO価格135ドルを下回る...

 6月12日に上場を果たしたスペースX(SPCX)の株価がIPO価格135ドルを下回り、6月の高値から時価総額1兆ドル(約162.5兆円)超が消失した。スターシップロケットの打ち上げ延期が繰り返され、AIと宇宙を軸とする成長シナリオへの投資家の信頼が揺らいでいる。

メタ株が時価総額で逆転する

 反面、メタ・プラットフォームズ(META)は、AIへの期待感から時価総額でスペースXを逆転して、約1.64兆ドル(約266.5兆円)に達した模様...。

依然、SPCX株の目標設定は高い

 ウォール街のアナリストは、スペースX(SPCX)銘柄を依然として「モデレート・バイ」のコンセンサス評価と平均目標株価234.78ドルを維持し、モルガン・スタンレーは強気シナリオで株価300ドルを設定する。

影を落とす、売上高94倍の株価...

 しかし、ロックアップ期間満了の接近、そして依然として『売上高の94倍』で取引されるバリュエーションの高さが短期的な見通しに影を落としている。
 木曜日に再設定されたスターシップの試験飛行成功は待望のカタリストとなる可能性があるが、市場は野心よりも実行力を重視し始めている。
 *SPCX(スペースX)株のロックアップ期間は、第2四半期決算発表から2取引日後となる2026年8月上旬(決算発表は8月4日予定)から、IPO後70日目にあたる2026年8月下旬にかけて段階的に満了を迎える。
 これにより初期投資家や従業員のインサイダー株の最大20〜27%の売却が順次可能となる。8月の決算トリガーでの第一陣解除では、インサイダー株式の最大20%(約9億株)が市場に放出可能となる。

公募後、株式を購入した投資家は全て含み損...

 同株は月曜日、7営業日続落となり、先月の大型IPOを迎えた熱狂からの急激な転落を印象づけた。株価は6月16日に付けた上場来高値225.64ドルから約45%下落し、現在はIPO価格135ドルを大きく下回って取引されている。
 この株価急落で、公募後に同社株式を購入した投資家は含み損を抱え、スペースXは米国企業の時価総額トップ5から転落した。同社は上場直後、一時アマゾン(AMZN)を抜き、マイクロソフト(MSFT)に迫っていたのである。現在、スペースXの時価総額は約1.59兆ドル(約258.4兆円)となっている。

しかし、ウォール街は楽観視を維持...

 モルガン・スタンレーのアダム・ジョナス氏は、スペースXの収益が2025年の187億ドル(約3兆円)から2030年までに3,190億ドル(約51.8兆円)、2040年までに3.3兆ドル(約536.3兆円)に急拡大するとのモデルに基づき、1株当たり300ドルを設定している。

ロックアップの重しと財務の現実

 8月から順次ロックアップ期間満了を迎え、市場に株式が大量に流入する可能性がある。空売り残高も急増しており、当初の「成長こそ全て」という物語が、キャッシュフロー、設備投資、商業化までのスケジュールに関する、より厳しい「問いに取って代わられつつある」ことを示している。

編集後記

 宇宙探査技術企業スペースX(SPCX)は赤字企業であり、直近の四半期報告書では、売上高46.9億ドル(約7,600億円)に対し、1株当たり1.27ドルの損失を計上している。

    

  2025年通期では、50億ドル(約8,100億円)近い損失を出したと報じられている。しかし、ウォール街のアナリスト達は、スペースXが単なる打ち上げプロバイダー以上の存在になるという前提に基づいて、同社株を評価して取り引きしている状況である。この信頼感が消滅すると、株価が瓦解する・・・!