ブロードコム、2026年第3四半期決算

 決算ハイライト

  1.  米半導体大手ブロードコムは今後2年間でAI半導体の売上高が急増するとの見通しを示し、エヌビディアによる市場支配に対抗できるとの期待が再び高まった。
  2.  ホック・タン最高経営責任者(CEO)は決算説明会で、AI半導体売上高が2027会計年度に約1150億ドル(約18兆円)に倍増し、翌年度には2300億ドルに急増するとの見通しを示した。
  3.  併せて、2028会計年度の1株利益は、ウォール街の予想を上回る「30ドルを上回る勢い」であるとも述べた。そして、同氏は「顧客は6社あり、そのうち4社はとにかく巨大になる」とコメントした模様。
ブロードコム、2026年第3四半期決算
  • 売上高: 295億9000万ドル(予想は294億8000万ドル、前年比85.5%増、予想通り)、AI向け半導体の​売上⁠高が167億ドル、3倍超に拡大する。
  • 調整後EPS: 3.32ドル(予想3.24ドルを2.5%上回る)
  • 調整後営業利益: 201億ドル(予想196億8000万ドルに対し、67.9%の差、2.1%の予想上回り)
  • 2026年の第4四半期の売上高見通しは中間値で348億ドルとなり、予想の352億ドルを下回った。
  • 営業利益率: 53.9%(前年同期の36.9%から上昇)
  • フリーキャッシュフローマージン: 46.2%(前年同期の44%から上昇)
  • 在庫回転日数: 45日(前四半期の74日から減少)
  • 時価総額: 1兆7600億ドル

急速なデータセンター拡大の恩恵を受ける

 データセンターの急速な拡大は、ブロードコムのネットワーク製品販売の押し上げにも寄与している。最大手のデータセンター運営企業を含むハイパースケーラー上位5社の設備投資予算は約40%増加し、7000億ドルを超えた。
 ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、クンジャン・ソバニ氏とオスカー・ヘルナンデス・テハダ氏はリポートで、こうした設備投資を受け「顧客仕様半導体とネットワーク製品の需要見通しがより確かなものになっている」と指摘した。

急速なデータセンター拡大の恩恵を受ける

良好な見通し・転がり込む利益

 長期的な見通しは投資家に好感された。一方、投資家はブロードコムの8-10月(第4四半期)の見通しにはそれほど好印象を持たなかった。
 同社の発表資料によると、「8-10月期の売上高は348億ドルを見込む」とあります。アナリスト予想平均は351億ドル、一部では360億ドルを超える予想もあった。
 ブロードコム社の社長兼CEOであるホック・タン氏は、「当社独自のAIアクセラレータとネットワークに対する需要は引き続き非常に好調です。
 第3四半期のAI半導体売上高は167億ドルで、前年同期比221%増、前期比54%増となりました。第4四半期もこの勢いは続き、AI半導体売上高は前年同期比236%増の217億ドルに加速すると予想しています」と述べています。

アルファベットとブロードコムの関係

ブロードコム(AVGO株)は、アルファベット傘下の半導体企業であると、認識しています。
  •  アルファベット(Googleの親会社)とブロードコムは、AIインフラの心臓部であるAI専用チップ(ASIC)の開発・製造で10年以上にわたり深く結ばれている強力なパートナー関係にあります。
  •  TPUの開発と製造支援:アルファベット傘下のGoogleが独自開発するAIアクセラレーター「TPU(Tensor Processing Unit)」の設計・量産化において、長年にわたり中核的なパートナーとしてバックエンドサポートや開発を担っています。
  •  コストと性能の優位性:アルファベットは協力を通じて自社専用の高性能チップを確保し、NVIDIA製GPUへの依存度を下げながら効率的なAIインフラ構築を実現しています。
  •  サプライチェーンの動向:Googleがカスタムチップの調達先として他社(マーベル・テクノロジーなど)との提携も進める中、その圧倒的な量産実績とネットワーク技術の強みを背景に、引き続き緊密な関係を維持しています。

編集後記

 株式市場では、ブロードコム社が繰り出す「売り上げ」「利益額」といった好数値の割には、同社株は株価的に低く放置されているようです。

生い立ち

 ブロードコムは、元々はヒューレット・パッカードの半導体部門です。無線通信、ネットワーク、データストレージに加え、メインフレームやサイバーセキュリティに特化したインフラストラクチャソフトウェアなど、幅広い分野を網羅する半導体複合企業に成長しています。